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過払金の消滅時効

平成28年3月2日 大阪地方裁判所 判決

要旨・解説:
 @アコムの無担保貸付から不動産担保貸付に同日に切り替えた事案につき、無担保貸付取引の終了日に不動産担保貸付の契約が締結され、不動産担保貸付の貸付金により無担保貸付の約定残債務が弁済されていること、いづれの取引も同一のカードで借入と返済を繰り返す取引であったことから、無担保貸付取引と不動産担保貸付取引との一連計算を認め、A過払金が発生しているにもかかわらず、その結果を知らないまま、44万円超の支払いをする約束をしたのであるから動機の錯誤により和解(約束)を無効とし、B貸付中断措置が執られても、以後の貸付が行われる可能性が皆無になったとは認められないとして、消滅時効の起算点を取引の終了日とした判決。
業者名:
アコム

平成25年12月12日東京高等裁判所 判決

要旨・解説:
信用状態悪化により、貸付停止措置をとり、貸倒処理をして、新たな借入れができない状態になったので、貸付停止措置の時から過払金の消滅時効が進行するというアコムの主張に対し、会員契約の貸付停止措置は、貸付けの停止ないし中止であって、基本契約等を解除するものではなく、借主の信用状態が回復するなど停止措置に至った事由が解消すれば、貸付けが再開されることはあり得るし、また借主はアコムが貸付停止措置を取ったことを知らず、取引が未だ終了したとはいえない以上、貸付停止措置がとられた時点から過払金返還請求権の消滅時効が進行すると解することはできないとした判決。
業者名:
アコム
原審判決:
平成25年8月28日静岡地方裁判所掛川支部 判決

平成25年11月29日名古屋高等裁判所 判決(上告審)

要旨・解説:
平成13年10月26日に、借主は弁済を止め(最終取引日)、その後、返済をせずに、平成15年7月25日、タイヘイからTOMへ債権譲渡された事案につき、債権譲渡の時点で貸金債務が存在することを前提として、債権譲渡していることから、同日まで取引が継続してたということができるとして、過払金の消滅時効の起算点を債権譲渡時とした高裁判決(上告審)。
業者名:
タイヘイ
原審判決:
平成25年3月21日岐阜地方裁判所 判決(控訴審)
第1審判決:
平成24年10月30日岐阜簡易裁判所 判決

平成25年5月9日東京高等裁判所 判決

要旨・解説:
貸付停止措置の時から過払金の消滅時効が進行するというアコムの主張に対して、アコムの「貸付け中止措置は、取引実績に応じて見直しが行われ、弁済の状況等に応じて解除されて新たな貸付けが行われることがあったことが認められる」と事実認定し、「貸付中止措置が講じられたことをもって、直ちにその後において新たな借入金債務の発生が見込まれなくなったとはいえない」としてアコムの主張を斥けた判決。
業者名:
アコム

平成25年4月11日 東京地方裁判所 判決(控訴審)

要旨・解説:
貸付中止措置の時点から過払金の消滅時効が進行するというアコムの主張につき、信用状態が回復すれば与信が再開されることも考えられること、借主において貸付中止措置がいかなる場合に解除され、いかなる場合に解除されないのか具体的な認識を有してたもとはいえず、新たな借入金債務の発生が見込まれなくなった事実を認識していたとはいえないとしてアコムの主張をしりぞけた地裁判決(控訴審/確定)。
業者名:
アコム
原審判決:
平成24年11月8日東京簡易裁判所 判決

平成25年3月14日福岡高等裁判所 判決(上告審)

要旨・解説:
信用状況の悪化により貸付停止措置を執ったのちは、新たな借入れが見込まれなくなるので、貸付停止措置の時点から過払金の消滅時効が進行することを認めた原判決につき、信用状況が回復すれば貸付けが再開されること、アコムが借主に対して貸出停止措置を執ったことを明確に告知していないことを理由として、原判決を破棄した上告審判決。
業者名:
アコム

平成25年3月14日 岐阜地方裁判所 判決(控訴審)

要旨・解説:
 クレジットカードにおいて、信用状態の悪化を理由として無効登録がなされた後は、新たな借入ができなくなることを理由に、無効登録の日が過払金の消滅時効の起算点となるというオリコの主張に対して、無効登録はオリコの内部処理に過ぎず、借主が無効登録について認識していたものと解することはできず、過払金充当合意が消滅したと解することはできないとしてオリコの主張をしりぞけた判決(控訴審/確定)。
業者名:
オリエントコーポレーション
原審判決
岐阜簡易裁判所平成24年9月11日判決

平成24年8月31日 東京地方裁判所 判決(控訴審)

要旨・解説:
貸出中止措置の時点から過払金の消滅時効が進行するというプロミスにつき、消滅時効の起算点となる法律上の障害の有無は客観的に判断すべきとして、外部から客観的に認識可能とはいえない貸出中止措置をもって特段の事情に該当しないとして、プロミスの主張をしりぞけた地裁判決(控訴審)。
業者名:
SMBC(プロミス)
原審判決:
平成24年2月16日東京簡易裁判所 判決

平成24年8月29日 岡山地方裁判 判決(控訴審)

要旨・解説:
債務の全額を支払った後も、毎年、クレジットカード契約の年会費を支払い、カード会社もこれを受領していたことからすれば、自らの意思により積極的に新たな借入れができる状態を継続させていたということができ、借主が解約の申し出をするまで取引は継続し、年会費支払い中は消滅時効は進行しないとして、ポケットカードの過払金の消滅時効の主張を斥けた判決。
業者名:
ポケットカード
原審判決:
平成24年2月22日児島簡易裁判所 判決

平成24年7月24日 福岡高等裁判所第1民事部 判決

要旨・解説:
信用状態悪化にともなう新規貸出停止措置の時点から消滅時効が進行するというアコムの主張を認めた第1審判決につき、過払金の消滅時効の起算点は、借主が過払金の権利行使が可能な状態になったこと、すなわち消滅時効の進行開始について認識し得たことが必要であり、与信の停止(新規貸出の停止)について明示することが必要であるが、借主に別途連絡を取るなどして与信の停止がなされたことを通知した事実を認めるに足りる証拠はないので、貸付停止の時から消滅時効が進行するというアコムの主張を斥けた高裁判決。
業者名:
アコム
原審判決:
大分地方裁判所 判決

平成24年5月31日 東京高等裁判所第7民事部 判決

要旨・解説:
信用状態悪化にともなう新規貸出停止措置の時点から消滅時効が進行するというアコムの主張を認めた第1審判決につき、詳細な事実認定のうえ新たな借入ができない事態は不変でなく、支払を継続することで次の借入ができる場合があり、取引の終了を待たず貸付停止措置の時から消滅時効が進行する特段の事情はないとして、第1審判決を覆した高裁判決。
業者名:
アコム
原審判決:
平成23年9月30日東京地方裁判所 判決

平成24年5月31日 福岡高等裁判所第3民事部 判決

要旨・解説:
貸出中止措置の時点から消滅時効が進行するというしんわの主張に対して、期限の利益を喪失させて一括請求や基本契約の解除をしない限り、信用状態が回復すれば予審が再開されることも考えられ、新たな貸付けを行わないことが決定されたとまで認めることはできないとして、貸出中止措置の時からでなく、取引の終了時から消滅時効が進行するとした判決。
業者名:
しんわ

平成24年5月30日名古屋地方裁判所 判決(控訴審)

要旨・解説:
貸付停止措置を取った以降は、新たな借入金債務が発生する見込みはないから、その後の過払金返還請求権は直ちに消滅時効が進行するというアコムの主張に対して、アコムは貸付停止措置を解除して貸付けを再開する運用も行っていたところ、本件で借主に発生した事実はその後に解消しうるもので、回復の見込みのないほどの重大な信用状態の悪化が示すものとはにわかに信じがたく、新たな借入金債務が発生する見込みがなくなったとはいえないとして、特段の事情はなく、過払金の消滅時効は取引の終了時から進行するとした判決。
業者名:
アコム

平成24年4月20日 福岡高等裁判所第4民事部 判決

要旨・解説:
貸出中止措置の時点から消滅時効が進行するというしんわの主張に対して、貸出中止措置がとられただけでなく、それを借主が認識したことにより、法律上の障害がなくなって、消滅時効が進行すると解され、本件では借主はそのことを知らないので、貸出中止措置の時からでなく、取引の終了時から消滅時効が進行するとした判決。
業者名:
しんわ
原審判決:
平成23年12月9日長崎地方裁判所 判決

平成24年3月30日 名古屋地方裁判所一宮支部判決

要旨・解説:
最終取引日から10年以上経過して提訴した事案で、弁護士の受任通知の発送からは6ヶ月以上経過しているが、弁護士事務所の事務職員が口頭で取引履歴の開示を請求し、併せて過払金が発生していればその請求をする旨告げた行為を「催告」と評価し、その日から6ヶ月以内に提訴しているので、アイフルの時効消滅の主張を斥け、過払金の支払いを命じた判決(判決10頁)。
業者名:
アイフル

平成24年3月28日 名古屋地方裁判 判決(控訴審)

要旨・解説:
クレジットカードの年会費の支払が続いている以上、その後の新たな借入債務の発生が見込まれるので、年会費の支払日まではキャッシング取引は終了していなかったとして、過払金の消滅時効時効の起算点となる取引の終了時点を同日として、オリコの過払金の消滅時効の主張を斥けた判決。
業者名:
オリコ

平成24年3月14日仙台高等裁判所判決

要旨・解説:
貸金債権について貸倒損失処理を行い、貸付停止措置を取った以降は、追加借入できないので新たな借入金債務の発生が見込まれず、その後の過払金返還請求権は発生と同時に消滅時効が進行するというアコムの主張に対して、いづれもアコム内部の手続にとどまり、借主において新たな借入れをすることができないことを客観的に認識できたと認めるに足りる事情もなく、借主がこれを認識しうるに足るような措置をしたこともないので、特段の事情はなく、過払金の消滅時効は取引の終了時から進行するとした判決。
利息制限法所定の利率で引直計算した結果と和解の内容とが大きく乖離しており、借主がその事を認識しておらず、認識しなかったことについて貸金業者が取引履歴を開示しなかった等貸金業者側に起因する事情がある場合、過払金返還請求権の存否に動機の錯誤があり、かつその事は表示されているというべきであるから、和解契約は錯誤無効となる。
業者名:
アコム
原審判決:
平成23年9月21日盛岡地方裁判所 判決

平成24年3月12日大阪地方裁判所 判決(控訴審)

要旨・解説:
新規貸付停止措置を取った以降は、追加借入できなくなるので新たな借入金債務の発生は見込まれず、その後の過払金返還請求権は発生と同時に消滅時効が進行するというアコムの主張に対し、実際に新規貸出停止措置を講じたかどうか、およびATM機を操作することにより、借主が新規貸出停止措置が取られたことを知り得たと認めるに足りる証拠もないことから、過払金の消滅時効は取引の終了時から進行するとした判決。
業者名:
アコム

平成23年9月13日 大阪地方裁判所判決

要旨・解説:
貸出中止措置の時点から消滅時効が進行するというアコムの主張に対して、貸出中止措置をとる場合であっても、貸金業者は継続的、定期的に債務者の信用情報を把握し、それが改善した場合には貸付けを再開することも考えられるところから、その主張を退けて取引の終了時を消滅時効の起算点とした判決(判決19頁)。
業者名:
アコム

平成23年6月20日 東京高等裁判所判決

要旨・解説:
66歳以降新たな借入れをせず、これを行わない前提であったので、その時点から消滅時効が進行するというプロミスの主張に対して、66歳以降借入れを行わないとの合意がなされた証拠はなく、67歳直前にも借入れをしていること、今後の貸付けがないことが明らかであるとはいえないことから、その主張を退けて取引の終了時を消滅時効の起算点とした判決。
業者名:
プロミス
原審判決:
・・・

平成21年12月1日 最高裁判所第三小法廷判決判決

要旨・解説:
基本契約が締結されているか否かにかかわらず、継続的な金銭消費貸借取引において、過払金充当合意を含むものであれば、過払金の消滅時効は取引の終了時から進行すると判示した最高裁判決。差戻審では、本件貸付取引では「新たな貸付けをする基本的な合意が成立し」「各貸付けに際し、前の貸付の残元利金を新元金に組み入れて旧貸付けを清算することを予定していたものと認められることからして」基本契約には過払金充当合意が含まれていると認定し、消滅時効の起算点を取引の終了時とした判決。
業者名:
ネットカード
差戻審判決:
平成22年6月2日東京高等裁判所 判決

平成21年3月3日 最高裁判所第三小法廷判決判決

要旨・解説:
基本契約に含まれる過払金充当合意が法律上の障害となって、取引の継続中は過払い金返還請求の行使が妨げられるので、過払金の消滅時効は、各弁済時からでなく、取引の終了時から進行すると判示し、原審名古屋高裁判決添付の計算書(残高無視計算をし、過払い利息を借入金に即時充当するもの)を引用して、破棄自判した。
業者名:
プロミス
原審判決:
平成19年12月27日名古屋高等裁判所民事第4部 判決